2005年6月7日(火)「しんぶん赤旗」
郵貯事業
公社なら黒字1300億円
民営化なら赤字600億円
佐々木議員に政府が認める
衆院郵政特別委
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「なぜ赤字になる危険までおかして、民営化しなければならないのか」―六日の衆院郵政民営化特別委員会で、日本共産党の佐々木憲昭議員は、郵貯事業の経営形態を民営化するのでなく郵政公社のまま継続したほうが大きな利益が出る事実をつきつけました。政府自身の試算でも、公社では黒字、民営化された貯金銀行では赤字になることが明らかになりました。
佐々木氏が指摘したのは、政府が民営化後の会社の経営見通しとして出した「骨格経営試算」。竹中平蔵郵政民営化担当相は同試算で、完全民営化される二〇一六年度の利益が、民営化会社では六百億円の赤字となる一方、公社のままの場合は千三百八十三億円の黒字になる見込みであることを初めて認めました。(表参照)
竹中担当相はこれについて、「民営化会社になって新規の事業で利益が出る可能性がある」「公社は税金も、預金保険料も払っていない」と弁明しました。
佐々木氏は、新規事業といっても人材もノウハウもないところから始まる事業で簡単に利益を見込めるものではない、赤字になれば法人税も国に入らないと指摘。公社のままなら利益の半分を国庫納付金として納めた後でも六百九十二億円の利益が残ることをあげて、竹中担当相の弁明をつきくずしました。
さらに佐々木氏は、「(郵政事業を)銀行とアメリカの投資銀行の食い物にするために、わざわざ民営化して経営困難におとしいれるものだ。国民のサービスは向上どころか、ずたずたにしていくという結論しか、あなたたちの骨格経営試算からはでてこない」と厳しく批判しました。
「骨格経営試算」による 2016年度の利益見こみ |
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公社 1383億円の黒字 民営化会社 600億円の赤字 |