2005年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

軍事同盟固執を批判

緒方議員 政府の姿勢ただす


 日本共産党の緒方靖夫参院議員は二日、外交防衛委員会で世界の軍事同盟の機能の状況について質問しました。遠藤善久外務省大臣官房審議官は、世界には「機能していない軍事同盟は承知していない」と答弁しました。

 これに対して緒方氏は、東南アジア条約機構(SEATO)も中央条約機構(CENTO)も一九七〇年代に解体、米州相互援助条約(リオ条約)やオーストラリア・ニュージーランド・米国相互安全保障条約(ANZUS)は、事実上機能不全になり、NATOも独仏から見直し論が出ている事実を指摘しました。

 緒方氏はまた、日本政府は東南アジア友好協力条約(TAC)に調印したが、これは、不可侵条約ともいわれるように、紛争の話し合い解決を原則としており、国連憲章に基づいて世界がめざしていく外交ビジョンが、日本に求められているとただしました。

 町村信孝外相は「軍事的側面に着目した条約の重要性を否定して、国連一本でやっていくことは、究極的姿として否定するものではない」が「現実の脅威を見たとき」には「遠大な理想論である」との見解を示しました。

 緒方氏は、アジアでは解体したSEATOの主要国がTACを形成し、ラテンアメリカでは、リオ条約加盟国が紛争の話し合い解決をうたった南米共同体を立ち上げていることを指摘。国連憲章に基づく地域的な平和の共同体づくりが、理想論ではなく、現実の大きな流れになっていることを強調し、日米軍事同盟にしがみつく日本政府の姿勢を批判しました。


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