2005年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

沖縄米軍の都市型訓練施設

移転後も撤去せず

赤嶺議員追及で判明


 米海兵隊キャンプ・ハンセン内(沖縄県金武町など)のレンジ(射撃場)4で建設が進められている米陸軍の都市型戦闘訓練施設での訓練を基地内のレンジ16に移転する問題で、訓練移転後もレンジ4の施設は撤去されず、米海兵隊に引き渡されることが分かりました。日本共産党の赤嶺政賢議員が三日の衆院外務委員会で明らかにしました。

 赤嶺氏は、在日米軍の報道官が米軍準機関紙「星条旗」五月一日付で「(レンジ4で)建設中の施設と土地は海兵隊に戻ることになるだろう」と述べていることを指摘し、真偽をただしました。

 外務省の河相周夫北米局長は「(訓練移転後)レンジ4(の施設)は海兵隊の管理下に置かれる」と答弁。質問後の赤嶺事務所の問い合わせにも外務省は、海兵隊の管理下に入った同施設の撤去について「今後の話であり、何も決まっていない」と答えました。

 レンジ4は、民間地から数百メートルしか離れておらず、流れ弾などの危険があることから、地元は施設の解体・撤去を要求しています。赤嶺氏は「撤去せずに『思いやり予算』で代替施設をつくれば、二つの(都市型戦闘訓練)施設ができることになる」と批判しました。

 河相局長は、訓練移転後はレンジ4の施設で「海兵隊が実弾訓練を行うことはない」と答弁し、実弾以外の訓練は実施されることを示唆。移転前にレンジ4の施設で行う訓練については「屋外での実弾訓練を排除することは難しい」とし、実弾訓練が行われることを認めました。

町長「とんでもない」

 金武町の儀武剛町長は「詳細は聞いていないが、明らかに町民の要求と矛盾した対応だ。事実であればとんでもない」と厳しく批判し、事実関係の把握につとめる考えを示しました。

 都市型戦闘訓練施設 米軍が、米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)の市街地での戦闘訓練用に、キャンプ・ハンセンのレンジ4に建設中の施設。同基地内にすでにある都市型戦闘訓練施設が「損耗した」ことを口実に、レンジ4に代わりの施設の建設を進めています。レンジ4に隣接する金武町伊芸区は、これまでも実弾演習の流れ弾による事故が多発。このため、町と区をあげて建設に反対し、抗議行動を続けてきました。昨年五月に米軍は建設の着工を強行し、現在、ほぼ完成しています。



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