2005年6月3日(金)「しんぶん赤旗」
JR事故
省令の見直し要請
国労西日本が近畿運輸局に
「JR福知山線脱線事故の背景には国の責任がある」と国労西日本本部(上村隆志委員長)は二日、大阪市の国土交通省近畿運輸局を訪れ、北側一雄国土交通相と近畿運輸局の谷口克己局長にあて、省令等の見直しを要請しました。
要請は▽車両の構造の基準の制定▽JR各社の安全規定の根拠となっている「運転の安全確保に関する省令」の見直し、安全綱領などについての統一見解の策定▽指導操縦者は十年以上の経験者とすることなどを運転免許に関する省令に追加▽一年数カ月で車掌、最短で四年数カ月で運転士になる現行の技術基準の見直し▽鉄道事業法施行規則を改め、列車ダイヤを認可制にする――など九項目。
要請後の会見で田中博文書記長は、基準がないため「軽いステンレス製車両が事故を拡大させた」「ダイヤ作成が認可制でなく届け出制になっているため、余裕時分等のチェックができない」として、「検査周期の延伸など規制緩和が進んでいるが、事業者まかせにせず、省令で定め、検査すべきだ」とのべました。
また、JR西の安全性向上計画を監視するため、国土交通省自身に安全担当の専門官の増員が必要と語りました。近畿運輸局はおおむね理解を示したといいます。
上村委員長は「なるべく早く回答を得て、今後の安全確保に生かしたい」と語りました。