2005年6月3日(金)「しんぶん赤旗」

靖国の実態と役割に驚き 

アジア太平洋円卓会議 外交官や研究者

笠井国際局次長 党の見解を説明


 【クアラルンプール=鈴木勝比古】当地で開催中の第十九回アジア太平洋円卓会議に出席している日本共産党の笠井亮国際局次長・元参院議員は一、二の両日、出席した各国外交官や研究者に日本共産党の文献(英語やハングル)を手渡して、靖国神社の実態や教科書改悪の中身を説明しました。受け取った人たちは驚きを示し、日本共産党の見解に同意や共感を語りました。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)関係の参加者は、不破哲三議長の講演「日本外交のゆきづまりをどう打開するか」と「しんぶん赤旗」論評「“靖国史観”とアメリカ」を会議のあいまに一読して「日本外交に独自の戦略がないのがよくわかりました。いつもアメリカの方を向いているのですね。近く日本に行くので、ぜひ靖国神社を見たい」といいました。

 マレーシアからの参加者は「靖国神社があの戦争は正しかったと宣伝する役割を果たしているとは驚きです」と述べました。

 タイからの参加者は「タイは日本と同盟関係にあったが、日本の首相の靖国参拝はよくないと思う。きちんと対処したドイツと比べても問題です。この問題を解決しないと、中国や韓国だけでなくアジア諸国との関係発展の障害になります」と指摘しました。

 香港からの参加者は「中国の暴力的なデモは絶対に良くないと思います。しかし、靖国神社の精神がネオ・ナチに匹敵するとは驚きました。歴史問題に関心があるので、もらった文献をよく読んでみたい」と語りました。

 ブルネイからの参加者は「過去は過去、未来志向で考えたい」と語りましたが、靖国神社がA級戦犯をまつるだけでなく、「正しい戦争だった」と宣伝する運動体であることを説明すると「それは良くない。小泉首相は参拝をやめるべきだ」といいました。

 米国・ハワイからの参加者は「『“靖国史観”とアメリカ』を読みました。この論評に賛成です。アメリカは何かしなければなりません。最後のくだりの小泉首相が『適切な判断を下すべきだ』との指摘にも賛成です」と同意しました。

 笠井氏が不破議長の朝鮮総連五十周年でのあいさつをロシアからの参加者に手渡して、六カ国協議の重要性を述べると、「それ以外に解決はありません。この地域に核兵器はいらない」とうなずきました。拉致問題の解決を含めて日朝平譲宣言の重要性を指摘すると「その通りです」と賛成しました。アジア太平洋円卓会議はマレーシア戦略国際問題研究所(ISIS)の主催で毎年開かれています。今年は「信頼醸成と紛争の軽減」を共通テーマに各国・地域と国際組織から約二百七十人が参加しています。笠井氏はISISの招待で出席しています。政党からの参加は笠井氏とタイの民主党代表の二人です。


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