2005年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
JR西
安全性計画を提出
ATS―P配備、ゆとりダイヤ
JR福知山線脱線事故で、JR西日本の垣内剛社長は三十一日午後、国土交通省を訪れ、新型自動列車停止装置(ATS―P)の配備や、ゆとりのあるダイヤ編成などを柱とする「安全性向上計画」を北側国土交通相に提出しました。
計画では冒頭、垣内社長が「安全を最優先する企業風土の構築に取り組み、計画を確実に実施していく」と声明。「弾力性に欠けるダイヤ編成や安全施設整備の遅れ」などを反省点にあげました。
これらを踏まえ六項目の行動計画を発表。緊急安全対策では、速度照査機能のある自動列車停止装置(ATS―SW)を、直線とカーブの制限速度の差が時速三十キロ以上のカーブに一年以内に設置。さらに新型の自動列車停止装置(ATS―P)を二〇一〇年度末までに都市近郊路線(アーバンネットワーク)の95%に整備します。これらにより安全関連投資を〇八年度までの四年間で現行計画より六百億円積み増しします。
実態に合わせた停車時分・余裕時分の設定による列車ダイヤの見直しをおこない、東海道線で大阪と神戸、京都を結ぶ「新快速」の所要時間を延伸します。
「日勤教育」が問題になった教育・指導のあり方については「部下に信頼される管理者づくり」など管理職の意識改革にとりくみ、内容を実践的に見直します。
一方、JR西日本本社の会見のなかで坂田正行専務は、〇四年度から〇九年度までに五千人の人員削減をおこなう「中長期要員効率化計画」について引き続き推進する考えを表明。そのうえで「見直しはプラスでもマイナスでも、必要に応じてやっていく」と語りました。