2005年5月31日(火)「しんぶん赤旗」
「稼ぐ」ポスターようやく撤去
JR西日本大阪支社 安全より優先
JR西日本大阪支社は、「稼ぐ」を課題の第一の柱に掲げた「平成十七年度大阪支社長方針」を大書したポスターを先週末、同支社内の職場の掲示板からいっせいに撤去しました。これについてJR西日本広報は、「本社が国土交通省に提出する『安全性向上計画』を踏まえ、大阪支社は今後新しい支社長方針を作成する。新しい方針が示されるまで掲出を控えた」としています。
同方針は五つの課題を掲げていましたが、利益を出すことを目指す「稼ぐ」が第一で「安全安定輸送」を「目指す」が第二。安全より利潤追求を優先させる姿勢が如実に表れていました。
日本共産党の穀田恵二衆院議員は十三日の衆院国土交通委員会でJR西の垣内社長に「撤回したか」と追及。ところが垣内社長は「民間企業であるから稼ぐことはもちろん大事だが、鉄道は安全輸送がなければ稼げないのは当然」などとのべ、撤回する考えを示していませんでした。
ポスターは事故後も、乗務員の詰め所や、駅の事務室など各職場の業務用の掲示板に張られていました。
同社広報によると、同支社方針を出した橋本光人前大阪支社長が二十六日付で退任した事を受け、ポスターは同日以降、撤去したといいます。
国労西日本本部の上村隆志委員長は、「稼ぐが第一、安全が第二という支社長方針は、安全をないがしろに利潤追求に走ったJR西日本の経営体質を表したもので、労使交渉でも撤回を求めてきました。安全第一の支社長方針に作り直すべきで、それが現場に徹底されるためには、安全は職場にあるとの認識に立って『部下に信頼される管理者』へそのあり方を見直し、職場の体質を変える必要がある」と語っています。