2005年5月29日(日)「しんぶん赤旗」
教育制度見直しで合意
JR西日本と3労組
国労西日本本部、建交労西日本鉄道本部、JR西労組(JR連合加盟)の三労組とJR西日本は二十八日、労使安全会議を開き、運転士の研修やミスの際の「再教育」など教育制度のあり方について基本合意しました。
合意内容は、“管理者の体質改善を目的にした内容で行っていく。部下に信頼される管理者をつくるために管理者教育をすすめる”として、「管理者が部下との関係を重視し、コミュニケーションを活性化させる」としています。
事故やミスの種別に応じて、「再教育」の対象を明確にしたうえで、机上教育のほか、シミュレーター(模擬実験装置)訓練や添乗指導など一定の標準を設けます。
「再教育」は、現場長が行うことを基本にしつつも、新たに指導監を配置し、支援するといいます。
場所は、各支社に研修センターを新設し、教育期間も、ミスによる運転事故は原則一週間程度、事故には至らない阻害などでは原則一日程度と一定の標準を設けます。
新任の運転士の研修については、三カ月、六カ月、一年後、二年後と時期を定めて研修を実施。すべての乗務員に対して、三―五年ごとに教育を行うとしています。
JR西では、オーバーランなどのミスをしたさいに行う「再教育」を現場長まかせにし、同僚の運転士が出入りする場所などでの、みせしめ的な「日勤教育」が問題になっていました。
井上浩一人事部長は記者会見で、これまでの「日勤教育」について、「効果に疑義がある」と懲罰的なやり方があったことを認めました。
国労西日本本部の田中博文書記長は「現場長のさじ加減にせず、一定の基準を設定するという労組側の主張をほぼ受け入れたものです。期間や内容での細部の詰めはこれからですが、会社側が『命令と服従』の体質を本気で変え、再発防止のための原因究明や運転技能を高めるなど、労働者が納得できるものにしていけるよう引き続き協議していく」といいます。