2005年5月29日(日)「しんぶん赤旗」
福島九条の会 講演に1900人
二月に発足した「福島県九条の会」(吉原泰助筆頭代表)は二十八日、福島市の県文化センターで発足記念講演を開きました。会場いっぱいの千九百人が集まりました。
作家の早乙女勝元氏と下重暁子氏が講演。「大盛況の集会ですね。私も大作家の気分がしてきました」と会場をわかせた早乙女氏は、東京大空襲などの体験を紹介。現憲法では国民主権が保障されていると強調し「再び戦争の惨禍がないよう決意するのは私たち一人ひとりだ」と訴えました。
下重氏は軍人の家庭で育ち、八歳で終戦を迎えた経験を紹介。「学校では、一九四五年八月十五日を終戦日としか教えない。そのときの人びとの思いを伝えないと意味がない。戦争の実態を語り継ぐのが、生き残った者の役目」と話しました。
リレートークとして、二氏が発言。真宗大谷派光照寺住職の和田至紘氏は「平和な社会を残すのがおとなの役割」と、アウシュヴィッツ平和博物館長の小渕真理氏は「いまの日本が平和だといえるのか」と述べました。
吉原筆頭代表は「九条を守ることには子孫の命運がかかっている。各地で大きなうねりを起こそう」と呼びかけました。
この講演は、地元紙二紙に全面広告を出すなどの準備を経て開かれたもの。福島市から参加した十九歳の女性は「もう一度歴史を勉強したい。家に帰って九条のことを話すだけでも、守るための力になるんだと思った」と感想を話しました。