2005年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
主張
農業委員選挙
農地を守り、生かす委員会に
三年に一度のいっせい農業委員選挙が七月十日投票(沖縄は九月)で行われます。
農業委員会は、一定の農地がある市町村におかれ、委員の多数が農民の選挙で選ばれます。「農民の議会」とも言われ、農民の声を農政に反映させることや、農地に関する権限をもち、その保全と有効利用のための業務を行います。農業委員選挙をつうじて、より積極的な役割を果たすようにしていくことは、農地や農業をまもるうえで重要です。
農業まもる地域の共同を
農業は、歴代政府の農業つぶし政策で、苦境に追い込まれています。米価暴落で大規模農家からさえ離農が相次ぎ、市町村合併がすすむ中、地域のきめ細かな農業施策が後退させられる不安も強まっています。
小泉内閣は、価格政策をやめ、大多数の農家を切り捨てる農政の新たな基本計画を決めました。無責任農政は、地域農業を崩壊させます。
多くの国民は「食料自給率の大幅向上」、安全・安心な農産物を求めています。その願いにそい、生産者と消費者が各地で「地産地消」などに取り組んでおり、注目されます。
「農業なくして地域は成り立たない」「手をこまねいてはいられない」という関係者の思いを一つにし、農業をまもる取り組みを、地域から発展させることが大事です。それは、政府の農業つぶしを地域からはね返す力にもなるでしょう。
農業委員会の役割は重要であり、次のような役割が求められます。
一つは、農地をまもり、生産に生かす役割。農地への産業廃棄物などの不法投棄を許さず、耕作放棄地を解消していくことが必要です。
二つは、農業振興策の提案と実現。学校給食に地元の農産物を使うことや農産物直売所への支援、特産物への価格保障など、地域にあった振興策を自治体の農政に反映させ、ともに実現をめざすことです。
三つは、国の農政に農家の願いを届けること。暴落した米価の回復、食料自給率の向上、BSE全頭検査の維持などを政府に求め、農政を変えるよう迫ることです。
全国にはこうした活動に力を入れているところもありますが、農業の困難さが活動の停滞につながっている委員会もあります。
しかも、政府は、農業委員会に、農業の大規模化への対応に活動を重点化するよう求め、国の農政の下請け役を押しつけています。市町村合併にともなう農業委員会の再編・定数の大幅な削減も強いられ、弱体化させられる懸念が強まっています。
それだけに、今回の選挙で、政府の農政に立ち向かい、農家の代表としての役割を発揮し、地域農業や農地をまもるために努力する委員を一人でも増やすことが求められます。
委員会を活発にする選挙
日本共産党は、農業つぶしの国の農政の大もとからの転換を訴え、農家や住民とともに知恵を出し合い、農業をまもる取り組みに力をつくしてきました。その立場から、農業委員会の役割も一貫して重視してきました。
委員の選挙では、公選法に準じておこなわれる条件を生かし、政策を発表し、候補者を積極的に立て、奮闘してきました。「共産党の委員が出て委員会が活発になった」という声も各地で聞かれます。
今度の選挙で、農業の危機を打開したいと願う多くの農家と共同し、日本共産党の公認・推薦委員、地域農業をまもって奮闘する委員を増やすために全力をつくします。