2005年5月27日(金)「しんぶん赤旗」
JR西
相談役が顧問に
引き続き経営関与 社長・会長も当面留任
JR西日本は二十六日、国鉄民営化を進め「効率優先」の同社体質をつくりあげた井手正敬相談役(70)を顧問に就任させ、引き続き経営にかかわらせる人事を発表しました。既に辞任の意向を固めている垣内剛社長(61)と南谷昌二郎会長(63)が当面留任します。経営トップ三人は当面そのまま残ることになりました。
同日記者会見した垣内社長は、「当面は遺族対応や安全対策に当たり、一定のめどが付いた時点で辞任する」と改めて表明。井手氏の顧問就任については「国鉄分割・民営化で大きな役割を果たし、高い識見で当社を引っ張ってきた。経験や識見を生かしてもらいたい」などとのべ、同氏を高く評価しました。また、井手相談役らの退職慰労金に関しては「支払いを留保する考え方もある」と述べました。
JR西は、「井手商会」といわれるほど、井手氏の影響が強く、井手氏が会長を退くまでの十六年間で、社員数は五万一千三百五十人から三万四千五百六十人に。連結最終利益は八十億円から八倍以上になりました。同社の利益優先・安全軽視の路線をリードした人物です。
首脳人事ではこのほか、副社長に安全性向上担当として山崎正夫ジェイアール西日本メンテック社長(62)が就任。さらに新たに社外取締役として曽根悟東大名誉教授(66)を迎えるほか、新設する社長特別補佐のトップに京都駅観光デパートの渡邊晃社長(60)を充てます。一方、総合企画本部長の坂田正行専務(55)と鉄道本部長の徳岡研三専務(58)も事故の責任を取って辞任します。
いずれも株主総会で正式決定します。