2005年5月27日(金)「しんぶん赤旗」

政府諮問に疑問続出

北米産牛評価で食品安全委


 BSE(牛海綿状脳症)問題で輸入禁止が続いている、北米産牛肉(生後二十カ月以下の枝肉・内臓肉)を対象にした食品健康影響評価の政府諮問について、内閣府の食品安全委員会が二十六日開かれ、委員から諮問の内容や形式などに疑問が相次ぎました。

 委員からは、全頭検査見直しの前回の諮問が米国産牛肉輸入問題とは別であると政府側が説明していた経過に関連して疑問が噴出。「(前回の諮問は)アメリカの牛肉輸入再開を目的としたものと見られてもしかたない。リスク管理機関として説明をしてほしい」、「二〇〇四年十月に日米(政府)間で二十カ月以下の条件で牛肉輸入再開を合意しているのに、食品安全委員会に諮問する必要があるのか」などの声が出されました。

 また、今回の諮問が北米産と国内産の「リスクの同等性」の評価を求めていることについて、「米国内のBSE対策全体の評価をしないことか」、「米国内の飼料規制は(審議の)対象としていない諮問なのか」、「米国とカナダを同時に評価し答申することをもとめているのか」などの質問も次々だされました。

 これにたいして、厚労、農水両省側は、「同等性」についての説明はせず、「限定されたリスク評価となる」とのべ、米国のBSE対策の全体評価を求めない意向を明らかにしました。飼料規制については「同等性評価の過程で飼料規制も評価される」とし、米国産とカナダ産について「なるべく同時に答申してほしい」などと答えました。

 このほか、二十カ月齢以下の判定と危険部位除去の確実性についても疑問がだされ、厚労、農水両省は「リスク機関の責任で定期的な査察を実行する」と説明しました。

 寺田雅昭食品安全委員長は、両省にたいしプリオン専門調査会の審議にあたって、「なぜ諮問がこのような内容、形式になったのか、リスク機関として同等性をどう考えているのか説明し、必要な資料も提出してほしい」と注文しました。


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