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2005年5月27日(金)「しんぶん赤旗」
“日本は過去志向だ”
韓国統一相 政府の歴史認識批判
来日中の韓国の鄭東泳統一相は二十六日、都内で開かれた国際会議で講演し、「日本は未来ではなく過去を見ている。共存の意思を見せるべきだ」と語り、小泉首相の靖国神社参拝に代表される日本政府の歴史認識を批判しました。また、東アジア統合では過去の歴史問題の解決が不可欠だとの見方を示しました。
鄭統一相は、第二次世界大戦後、ドイツが欧州で行った「歴史に対する徹底的な省察」が「欧州統合の基盤となり、反省と実践が共同体の形成を可能にした」と指摘。「北東アジアでも不可能ではない。日本の決断が決定的だ」と語りました。
そのうえで「近隣諸国が(日本の)一部の人の過去志向的な歴史認識を懸念していることは事実だ」と述べ、「最近の日本における一連の事態は未来志向的な発展を阻害しており、大変残念だ」と強調しました。
「一連の事態」については具体的言及を避けましたが、「A級戦犯を合祀(ごうし)している靖国神社への日本の指導者の参拝で、不幸な過去の歴史が繰り返されるのではないかと近隣諸国が不安感を抱くのも自然なことだ」と語りました。
同相は、東アジア統合において「市民社会の役割が重要だ」と指摘し、歴史問題では「政府レベルだけに頼れない。市民社会の連帯を」と語りました。