2005年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
JR事故でシンポ
党地区委主催 元運転士ら発言
西 宮
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二十五日、JR福知山線脱線事故のシンポジウムが兵庫県西宮市内で行われました。日本共産党西宮芦屋地区委員会が主催したもの。
JR西日本の元運転士の森本利昭さん(60)は同線に乗務した経験があり、ことし四月時点のダイヤを資料として配布。問題の宝塚九時三分四十五秒発の尼崎行き列車は、途中の中山寺駅の到着時刻は同七分ちょうどで、発車時刻は七分十五秒。十五秒間しかありません。
森本さんは「列車はドアの開け閉めだけで十四秒かかる。これはJRも認めている。一秒で乗り降りさせるダイヤは遅れて当然」と指摘しました。新型の自動列車停止装置(ATS―P)の設置が遅れていた理由については「P型をつけたらダイヤ通りの運行ができない。意識的につけなかったのではないか」と語りました。
元車掌の下岡保さん(60)は「Jスルーカードの売り上げが車掌の評価にかかわる。車掌区同士、車掌同士で競争させる」ともうけを競わせるJR西の体質を告発。「日勤教育」で自殺した運転士もいるとして、「プレッシャーが、事故を起こした運転士を精神的に追い詰めていたのではないか」と語りました。
同シンポジウムでは、日本共産党の平松順子衆院比例候補、つづき研二兵庫県議、たてがき初男西宮市議が、地域住民の意見を集めるとりくみや、規制緩和を進めた国の責任など報告しました。