2005年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
都議海外視察“豪華でない”と自公民
共産党「都民への背信行為」と批判
ムダ遣いの中止ただちに
|
日本共産党都議団が明らかにした都議会の自民、公明、民主各党の豪華「海外視察」問題について、自民、公明、民主三党の幹事長は二十五日、「反論」の文書を発表しました。このなかで三党は税金の無駄遣いを反省するどころか、「豪華『旅行』という言い方は、全く当たらない」と述べて、開き直り、合理化しています。
日本共産党都議団の吉田信夫幹事長、松村友昭副幹事長が同日、記者会見し、「わが党の批判に何一つまともに答えないばかりか、事実をねじ曲げたもの」と厳しく批判し、「都民の批判を真しに受けとめ、海外視察のムダ遣いをただちにやめるべきだ」と主張しました。
吉田氏は「一人平均百四十八万円、最高二百十万円も使った海外視察を『豪華』と批判するのは、都民の生活実感から、みれば当然」と指摘。「それを一片の反省もなく、『豪華という言い方は全く当たらない』などと反論すること自体、都民の感覚、思いからかけ離れた都議会の『オール与党』体制の異常さを示すものだ」と厳しく批判しました。
三党の「反論」は、視察費用についても、異常に高額な添乗員や通訳の費用など、日本共産党が指摘した具体的なムダ遣いの事実には、何ひとつ答えていません。
吉田氏は、「反論」の急先ぽうに立っている公明党が、二〇〇三年に全国県代表協議会で海外視察の自粛を決議していることを指摘。「自らの決議に照らしても、海外視察のムダ遣いをただちにやめるべきなのに、豪華視察を合理化していることは、都民に対する背信行為だ」と述べました。
謙虚に視察やめるべき
品川区民オンブズマンの会・佐藤龍雄代表 都議選では海外視察だけでなく、無駄遣い問題全体が大きな争点になると思います。しかし自民、公明、民主各党の「反論」文書を見ると、反論とはいえないお粗末なものだと感じます。
視察の「実績」を語るとか、「金がかかっても仕方ない」といった説明が全くなく、旅客機が「ビジネスクラスだから豪華でない」という程度の、言い逃れにすぎません。会見を開いてしらを切るとは、天につばするものです。
私たちが調べ告発した品川区議会の豪華「海外視察」（一九九六年、日本共産党は不参加）でも、告発後、視察の単価を抑えさせる結果になりました。
三党は、豪華海外視察への批判を「選挙目当てのパフォーマンス」と開き直るのでなく、謙虚に受け止め、視察をやめるべきだと思います。
◇
ギャンブルの視察まで
「後楽園競輪復活反対文京区民集会」実行委員会の村木幸子（こうこ）代表 自民党、公明党、民主党の都議が一人平均百四十八万円もする豪華な海外視察に行っていたことは、本当に許せないことです｡とくに、石原知事が進めようとしているカジノを推進するため、モンテカルロやラスベガスを視察し二泊もしていたことに、怒りを感じています。
共産党が反対したのを押しきって、庶民の海外旅行の何倍もの高額な費用で行っていた。しかも税金で、都民が反対しているギャンブルを復活させるための視察までしていたなんて、とんでもない。
共産党の批判に対して説明もしていない。開き直る前に、きちんと反省してほしいです。
【関連記事】
豪華海外視察批判にたいする自民、公明、民主の「反論」について 日本共産党都議会議員団幹事長 吉田信夫
