2005年5月24日(火)「しんぶん赤旗」

ハンセン病

補償を韓国・台湾在住も

旧植民地下の元患者が訴え


裁判の連帯集会

 「連帯の輪を広げすべての被害者の救済を」―植民地支配下のハンセン病患者に過酷な強制隔離政策をとった日本政府に対して補償を求める「韓国ソロクト・台湾楽生院のハンセン病裁判を知るつどい」が二十三日、東京都内で開かれました。主催は同実行委員会。元患者や支援者など二百人以上が参加しました。

 ハンセン病補償法(二〇〇一年成立)に基づいて、韓国のソロクト更生園在住者が〇三年十二月に、台湾の楽生院在住者が〇四年八月に、それぞれ日本政府に対して補償請求しました。しかし、厚生労働省は「対象外」として拒否。このためソロクト在住者らは昨年八月に、楽生院在住者らも十二月に東京地裁に提訴しています。

 集会では、この日、東京地裁の口頭弁論で陳述したソロクトの原告・蒋基鎮さん(85)が「原告はみな高齢です。一刻も早く解決してほしい。ぜひ協力を」と訴えました。

 ビデオでソロクトと楽生院を紹介。在住者が植民地時代の人権侵害を語りました。強制労働で体調を崩すと殴打され監禁、そして懲罰の断種手術が行われました。「日本政府によって連れてこられたのに、なぜ補償されないのか」という話に、涙をぬぐう参加者の姿もありました。

 韓国弁護団の代表が六十人でハンセン病差別の解決に取り組んでいることを紹介。日本の国宗直子弁護団代表は「日、韓、台の連帯の輪を広げて、もっと署名を集めよう」と訴えました。

 ハンセン病全国原告団の國本衛事務局長は「植民地での差別の歴史を覆い隠そうとする日本政府を追いつめよう」と呼びかけました。


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