2005年5月24日(火)「しんぶん赤旗」
「9条の会」が討論集会
スポーツは平和守る力
相互理解の懸け橋に
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スポーツは平和を守る力――スポーツ「9条の会」は23日、東京体育館で討論集会を開き、約70人のスポーツ関係者が、スポーツと憲法、九条を語り、学び合いました。
集会では、法政大学名誉教授の永井憲一さんが「スポーツと憲法」と題して講演。オリンピック憲章やオリンピック休戦の呼びかけを例に出しながら、「平和と民主主義を大切にする世界を実現していくためにも、それを中心にすえるスポーツが果たす役割は大きい」と訴えました。
意見交流では、プロボクシング元ウエルター級チャンピオンの小林秀一さんらが発言。小林さんは在日朝鮮人の徳山昌守選手(前スーパーフライ級世界チャンピオン)が韓国選手との防衛戦を、相手の地元でたたかったときの話を紹介。南北統一のメッセージをかかげる徳山選手を韓国の人々が応援する姿を見て、小林さんは「スポーツには国境がないこと」を実感。一選手として、相互理解の懸け橋となるスポーツを広めていきたいと決意をこめました。
仲間とともにフットサルを楽しんでいるという荒川苗穂さん(27)=東京都在住=は、スポーツを通して人と人とのつながりの大切さを学んだといいます。「戦争は相手を人間として認めない。でも、フットサルは人のつながりや連携を大事にしないと成り立ちません。スポーツと憲法はすぐには結びつかないけれど、人を大事にする憲法を、スポーツを通してもっと若い人たちと語っていきたい」と話しました。
会場では、スポーツの各分野での「9条の会」のとりくみなども紹介され、多彩な活動をいっそう広げていこうと誓い合いました。
スポーツ「9条の会」(略称=スポーツ9)
スポーツ分野で日本国憲法と九条を守る活動にとりくむため、昨年12月に発足したスポーツ関係者の会。賛同者を広げるためにアピールの送付や缶バッジの普及、ニュースの発行などの活動を展開しています。22日現在、賛同人は406人。賛同者にはプロ野球巨人OBの中村稔さんやフィンスイミング元日本記録保持者の片桐里香さんら、幅広いスポーツ関係者が名を連ねています。
▽電話・ファクス兼用 03・3986・5402▽ホームページ http://sports9.hp.infoseek.co.jp