2005年5月22日(日)「しんぶん赤旗」
米陸軍
募集担当官が不正
業務中止して再教育
【ワシントン=浜谷浩司】イラクとアフガニスタンの戦争が米軍の新兵募集に困難をもたらす中、米陸軍は二十日、募集業務を丸一日ストップして、募集担当官らの“不正行為を正すセミナー”を行うという異例の措置をとりました。
陸軍の新兵募集は二月以降、三カ月連続で月間目標を下回っています。若者が軍への志願をますます避けるようになった要因の一つとして、CNNやABCなど米テレビは、多くの親たちが息子や娘の志願に反対していると伝えました。一部の高校では、募集担当官らが校内に立ち入ることに、親たちが反対の運動をしています。
低所得世帯の青年らにとって、軍で数年を過ごすことは高等教育を受けるチャンス。米フレンズ奉仕委員会が出したパンフレットは、若者にこう警告します。「募集担当官だけを信頼してはいけない。彼らはセールスマンだ。志願の特典ばかりを強調し、問題には触れたがらない」
実際には、その警告をも上回る不正な手口が横行しています。テキサス州では募集面接にこなければ逮捕されると脅したといいます。また、高校中退者に「ニセの卒業証書で大丈夫だ」と説得する募集担当官(コロラド州)の声がテレビで流れました。