2005年5月22日(日)「しんぶん赤旗」
自然と社会の全体像を
「これからの時代と世界のこと、学問のこと」
京大で 不破議長が講演
「マルクスの本を読んでみたくなった」「聞く話、聞く話、新鮮だった」―日本共産党の不破哲三議長を迎えた新入生歓迎講演会(主催=同講演会実行委員会、民青同盟京大班)が二十一日、京都市左京区の京都大学の法経一番教室で開かれました。
学生ら600人 立ち見も
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不破さんは、「これからの時代と世界のこと、学問のこと」と題して一時間半にわたって講演。「ビラを見てきた」「学内の宣伝で知った」という学生など立ち見もでる盛況ぶりで、六百人を超える聴衆が熱心に聞き入りました。京大の教職員の姿も見られました。
講演で不破さんは、激動の時期に大学生活を送る学生として、「自然や社会の全体像をつかむ」大切さを強調。二十世紀後半の自然の認識の大変革をふまえた現代の自然像、資本主義世界のなかでの日本社会の異常性、世界的には資本主義の耐用年数がつきはじめたことなど、自然と社会の諸問題を豊富な具体例をまじえ、解き明かしました。
社会の現実を正面からとらえ、解決するための理論的な指針として、不破さんはマルクスを推薦。さらに昨年改定した日本共産党の綱領は、日本社会の「二つの矛盾」を解決する道をマルクスの「科学の目」を指針に探究したものだと紹介し、この綱領も読んで、日本と世界を考える一つの足場にしてほしいと訴えました。
また、「不破さんの考える平和とは」「在日外国人の権利をどう考えるか」など、会場の新入生らの質問に一つひとつていねいに答えました。
講演に先立ち、不破さんの東大時代の三年先輩にあたる町田茂・京大名誉教授が不破さんの人となりを学生時代のエピソードをまじえて紹介。不破さんが学生時代の思い出に苦笑いする場面もありました。
「学内の宣伝で知ってきた」という京大一回生の滝悠樹さん(18)は「マルクスの本といえばさすがに今の世の中と状況が違うときに書かれたものだし、今の世の中をみるのに役立つと思っていなかったが、『マルクス自身の歴史の中でマルクスを読む』ということがわかったので『資本論』を読んでみたい」と語っていました。
ビラを見て参加した京大工学部二回生の男子学生は「政治の話かと思ったが、こんなにグローバルな話が聞けるとは思わなかった。うまくいえないが、聞く話、聞く話、新鮮だった。日本社会の異常さとそれを解決しようと努力する方向が示されたので、自分も勉強していきたい。理論活動の奥の深さをもう少し知りたい」と感想をのべました。
学生数の倍
ビラで宣伝
講演会の実行委員会は、京大の学生数の二倍以上の二万九千枚のビラ配布や「空中横断幕」、百枚のポスター張り出しに加え、授業前の「クラス演説」を一日に十教室以上でおこなうなど、大宣伝のなかで対話活動をしました。京都府下の他大学の新入生へも参加を広く呼びかけ、日本共産党左京地区委員会や居住支部も、実行委員会が設けた「不破講演センター」に集う学生たちに炊き出し、差し入れなどの激励をおこない、講演会の成功に奮闘しました。