2005年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

日本道路公団

幹部の特許取得に便宜

仁比議員追及 先に出願2社を工作


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質問する仁比聡平議員=19日、参院国土交通委

 日本道路公団の技術系幹部が発明者となっている資材の特許出願をめぐり、同公団が同様の出願をしていた企業の一本化をはかり、最終的に技術系幹部が発明者として特許を取得できたことが十九日、分かりました。この特許資材をめぐっては、技術系幹部と東京都内の建設資材卸会社との癒着が指摘されており、あらたに道路公団の関与が判明しました。

 同日の参院国土交通委員会で日本共産党の仁比聡平議員が明らかにしたものです。

 仁比議員が取り上げたのは、橋梁(きょうりょう)工事で使う資材の一つ、「透明シース」。発明者となっている技術系幹部は「透明シース」の使用を「標準」とする事務連絡を出し、その後、公団内でこの資材の使用が約七倍に急増しています。

 仁比議員の調査では、「透明シース」の特許出願で、技術系幹部が発明人の出願は三番目。特許は先願主義で、同じ発明でも出願の早い方に特許を認める方式です。

 この特許出願にかかわる関係者の話では道路公団の主導で、先行した二つ出願と技術系幹部が発明者の出願を一本化するための話し合いがもたれた、といいます。

 その後、道路公団の思惑通り三つの出願は一本化。技術系幹部が発明者、道路公団や建設資材卸会社が出願人で特許を取得、建設資材卸会社が独占販売権を得ました。

 仁比議員は「この経過は、公団そのものの癒着を示している」と指摘。先に公団がまとめた調査報告書のようなものでない、厳正な調査と報告を求めました。

 道路公団の近藤剛総裁は、「(調査報告書は)納得できるものになっていない。外部の弁護士に調査報告書の確認作業をお願いしており、はやくおこないたい」と答えました。

 仁比議員は、近藤総裁の国会などにたいする不誠実な姿勢を批判。北側一雄国土交通相は「道路公団は、情報公開や国会などに適切に対応をする必要がある。配慮に欠けることがあったら、直さなくてはならない」とのべました。


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