2005年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
英国 “私の投票カウントして”
比例代表制求め集会
小選挙区制批判次々
【ロンドン=西尾正哉】英選挙制度の改正を求める集会が十七日、ロンドンの首相官邸前で開かれ、国会議員選挙への比例代表制度導入を求める国会議員やジャーナリスト、選挙制度改革団体の支持者など百人以上が参加しました。
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集会を組織したのは、自由民主党や一部の労働党所属議員、民主主義擁護団体などからなる団体「私の投票を数えよ」です。この団体は、労働党政権が一九九七年に行った選挙制度見直しの約束を実行させるために結成されました。
集会は、女王の国会演説に合わせて午前九時から正午まで開かれました。参加者は「私の投票をきちんとカウントしろ」「ブレア首相よ、国民の声を聞け」などと書かれたプラカードをもって集まりました。
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集会参加者が見守るなか、参加者が首相官邸に書簡を届けました。書簡は「選挙結果は現在の選挙制度の欠点をさらけ出した。三分の二の国会議員は投票者の半数の支持も得ずに選ばれた」と小選挙区制度を批判。選挙制度の見直しを進めるように求めました。
集会に参加した弁護士のメアリー・ラザレスさんは、「いまの選挙制度では多くの人の投票が生かされません。とてもフラストレーションを感じます。労働党は九七年に見直しを約束して委員会を設置したのに、その委員会勧告を無視しています。彼らにとって都合が悪いからです」と批判。「より民意を反映する」比例代表制度の導入が必要だとのべました。
先の総選挙で、労働党が全有権者の五人に一人の支持しかないにもかかわらず政権を維持したことで、小選挙区制度への批判が国内でかつてなく高まっています。
英紙インディペンデント十七日付は一面で、62%の人が比例代表制度を採用すべきだと考えているとの調査結果を報じました。
比例代表制度の導入を求めて運動する「選挙改革協会」の事務局長で、官邸前集会にも参加したケン・リッチー氏は、小選挙区制への国民の批判の高まりについてこう語っています。「これまでこのような大きな動きはみたことはありません。有権者は本当に怒っており、選挙結果は統治にとっても民主主義にとっても大きな問題だとの認識が広がっています」