2005年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
平頂山事件の原告・支援者
全面解決訴え国会要請
一九三二年に旧日本軍が中国東北部の村で住民約三千人を虐殺した平頂山事件の全面解決を求めて十八日、原告と弁護団、支援者らが国会内で集会を開き、国会議員に要請しました。事実を否認したままでいる政府見解の撤回と被害者の人権の回復を求めました。
大江京子弁護士は事実認定をした一審判決に加え、事件後の生活についても被害を認定した十三日の高裁判決を紹介。二つの判決が事実を認定したことは「全面解決にとって重要な点」だとのべました。これら判決に対し、日本政府は三二年当時の国際連盟で住民虐殺を否認する見解を表明したまま、「現在もこの誤った見解を撤回していない」と指摘しました。
川上詩朗弁護士は「被害者の人権を無視した態度は許せない」とのべ、「一般的な言葉での反省ではなく、被害者らに誠意が伝わるよう、きちんとした態度を示すべき」だと語りました。
原告の楊宝山さん(83)は「三千人のみたまのために」とのべ、事件の解決に向け、事実を認め公式に謝罪することと、その証しとして日本政府の費用で謝罪の碑と供養のための陵園を設置することなどを訴えました。
日本共産党の吉川春子参院議員は「残虐事件の事実を認めず、今日まで放置してきた政府の態度は許せない」とのべ、原告らの要求と被害事実を政府に認めさせるよう全力を尽くすことを伝えました。五人の民主党議員も参加しました。