2005年5月19日(木)「しんぶん赤旗」
障害者「自立支援」法案
負担引き上げ反対
衆院委 精神通院医療費で山口議員
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障害者「自立支援」法案を審議している衆院厚生労働委員会で、十八日、日本共産党の山口富男議員は精神障害者の医療費負担増をとりやめよと求めました。
精神障害者は仕事に就くことが難しく、収入も低いため、通院医療費の自己負担は5%に抑えられています(精神通院医療)。月に七十万件の制度利用があります。これを「自立支援」法案では原則一割負担にひきあげ、一定所得以上の世帯(所得税年額三十万円以上)では三割負担にしようとしています。精神障害者と家族から猛烈な反対が起こり、精神通院医療の存続を求める署名は二十三万人にのぼります。
山口氏は厚労省の「精神障害者通院医療費公費負担の適正化のあり方に関する検討会報告」(二〇〇二年)が、自己負担引き上げは「慎重に検討を継続する必要がある」と書いていることを指摘。どういう検討をしたのかと質問しましたが、厚労省は具体的な検討内容を示せませんでした。
さらに山口氏は、厚労省が当面「重度かつ継続」的な精神障害者は負担を軽減するとしているが、該当する病気を統合失調症・狭義のそううつ病・難治性てんかんの三つにしぼっている理由をただすと、同省の塩田幸雄障害保健福祉部長は「医療費の額を勘案した」と答弁。山口氏は「お金の問題で切り捨てるのか」と批判し「病名による対象の限定ではなく、状態像により判定を行う現在の方法を継続するのが適当」と提起しました。
塩田障害保健福祉部長は負担軽減の対象を広げる必要性を認め「実証的なデータをそろえ専門家の意見を踏まえて最終判断したい」と答弁。山口氏は「実証データは法案審議の前提だ。これから調べるとは、話が逆さまだ」ときびしく批判しました。