2005年5月16日(月)「しんぶん赤旗」
「基地なくせ」2万3千人
沖縄 人間の鎖 普天間包囲
祖国復帰33年 “自治体ぐるみ”広がる
沖縄県民が一九七二年に祖国復帰を勝ち取って十五日で三十三年。今なお、沖縄本島の二割を占める米軍基地を全面撤去させるために、「普天間基地包囲行動」と「県民大会」(主催・県民大行動実行委員会)が十五日開かれました。
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志位委員長が連帯あいさつ
沖縄県民が「平和憲法のもとへ」を合言葉に、米軍の全面占領とたたかい祖国復帰を果たした思いは、「核も基地もない平和で豊かな沖縄の実現」でした。昨年八月、沖縄国際大学に米軍大型輸送へリが墜落して以降、基地被害に苦しめられ続けてきた県民の怒りは頂点に達しています。
包囲行動には、戦後六十年にわたり基地被害に苦しめられてきた県民二万三千八百五十人が駆けつけ、周囲十一・五キロメートルの普天間基地を「人間の鎖」で完全に包囲しました。
宜野湾市では、包囲行動と県民大会の成功に向け、市内の三十数団体で市実行委員会を結成し、実行委員長の伊波洋一市長が、自ら各団体を巡って市民ぐるみで取り組みを進めてきました。また、普天間基地の分散移転先として浮上している沖縄本島北部の伊江村や宮古郡の伊良部町でも議会と首長が反対を表明。「危険な基地は受け入れられない」と自治体ぐるみで新基地建設を狙う動きとたたかっています。
県民大会会場の宜野湾市海浜公園野外劇場には約七千五百人が詰めかけました。普天間基地に代わる海上新基地建設に伴うボーリング調査が強行されようとしている名護市辺野古からも多くの住民が駆けつけました。
地元を代表して訴えた伊波市長は「基地包囲行動が成功したことは、普天間基地の撤去と沖縄の基地負担軽減につながると確信している。今日、集まった県民の声を日米両政府にぶつけ、普天間基地の海外への移転を強く求めたい」と力を込めました。
日本共産党は志位和夫委員長、赤嶺政賢衆院議員が県民大会と包囲行動に参加。伊波市長としっかり手を結び、基地を包囲しました。県民大会で志位委員長は「新しい基地をつくることは、はるか未来まで基地を固定化すること。基地のたらい回しではなく、無条件撤去が県民の総意だ。ここでかたく団結し、日米両国政府を動かすまでたたかいを前進させよう」とよびかけました。