2005年5月15日(日)「しんぶん赤旗」
“世界の9条”生かす
憲法フェスティバルに600人
東京
「平和・人権 世界の9条」を掲げた「憲法フェスティバル」(実行委員会主催)が十四日、東京・新宿区で開かれ、歌やバイオリン演奏なども織り込みながらの講演、対談に六百人が聞き入りました。姜尚中・東大教授は「東北アジアの国家間に、憲法の精神を生かした平和の枠組みを」と訴えました。
この催しは、「憲法の精神を楽しくかつ真剣に考えてもらう機会に」(実行委)と市民や弁護士らが一九八七年から開いています。
姜氏は講演で、雇用や年金などで政治が劣化現象を起こしていると指摘した上で、「その張本人の政治家たちが憲法に責任転嫁しているのが日本の現状」と語りました。そして自民党の改憲案が政教分離の規定を緩和しようとしていることを批判。「形をかえた神聖国家に日本が逆戻りする恐れがある」と述べました。
また、「憲法の議論をする場合、日米安保条約の問題に踏み込まざるを得ない」と指摘し、「仮に米国と一緒に北朝鮮に対し軍事行動を起こせば、日本も無傷でいられるはずがない」と語りました。
対談では森達也(映画監督)、吉岡達也(ピースボート共同代表)、重信メイ(ジャーナリスト)の三氏が議論。在日韓国人歌手の趙博さん、バイオリン奏者の池田敏美さんらも出演しました。