2005年5月14日(土)「しんぶん赤旗」

英紙 比例制キャンペーン

小選挙区の弊害批判

35%得票で55%の議席 “総選挙結果は問題”


 【ロンドン=西尾正哉】英国での先の総選挙で与党労働党が約二割の有権者の支持しか得ていないにもかかわらず政権を維持したことに関し、英有力日刊紙インディペンデント紙は、小選挙区制の弊害をなくし、比例代表制度への改正の実現を訴えるキャンペーンを始めました。


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「国民の叫び。『民主主義をわれわれに返せ』」の見出しで報じるインディペンデント紙11日付(左側)と10日付

 五日投票の総選挙(投票率61・3%)で労働党は35・2%の得票率でした。絶対得票率は21・5%です。議席占有率は54・9%でした。野党第二党の自由民主党は22%の得票でしたが、議席占有率は9・6%にとどまりました。

 インディペンデント紙十日付は一面で、主要政党の得票と議席数をカラーのグラフで示し、「ブレア首相は“選挙で選ばれた独裁者”となったと憲法問題の専門家が述べた」と紹介。小選挙区制の非民主性を指摘しました。

 同日付社説は「現代の比例代表制度は、有権者の意思をより正確に反映する選挙結果をもたらす」と指摘。比例代表制導入が必要だと強調しました。

 十一日付は、「過去八年間、ブレア首相は毎回、支持率を低下させながら政権に返り咲いている。われわれは事実上の独裁が忍び寄るもとで暮らしている。このような状況を許す制度を変えねばならない」などと主張する読者からの投稿を一面に掲載。「国民の叫び。“民主主義をわれわれに返せ”」と見出しに掲げました。十二日付では、百人の労働党の国会議員が選挙制度改革を支持していることを紹介する記事を一面に掲載しました。


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