2005年5月14日(土)「しんぶん赤旗」
「新銀行東京」
虚偽の事業説明
大門議員 「銀行法趣旨に抵触」
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東京都が主体となって四月に開業した「新銀行東京」(本店・千代田区)が、金融庁に提出していた「事業計画」(昨年十一月作成)と違う内容を都民に公表していたことが十二日、参院財政金融委員会での日本共産党の大門実紀史議員の追及で明らかになりました。
この問題では、都が都民や都議会に説明していた「新銀行マスタープラン」(二〇〇四年二月作成)とは別に、融資や経常利益などの目標を大きく下方修正した「事業計画」を作成し企業に出資を要請していたことが日本共産党都議団の追及で明らかになり、石原慎太郎都知事もこの「事業計画」の存在を認めざるを得なくなっていました。
「マスタープラン」と「事業計画」には大きな食い違いがあります。例えば経常利益は、「事業計画」では三年目で四億円と予測、「マスタープラン」は五十四億円になっています。事業内容についても「事業計画」には「大企業向けシンジケートローン」「不動産関連プロジェクト融資」とありますが、「マスタープラン」には一言もありません。
大門氏の質問に、金融庁の佐藤隆文監督局長は、昨年作成されたこの「事業計画」が同銀行から金融庁に提出された正式のものであることを認めました。にもかかわらず同銀行は、今年四月一日の「ニュースリリース」(報道発表)でも「マスタープラン」にもとづいた内容で公表。大門氏は「事実と違う内容や数字を公表するのは、銀行法の趣旨そのものに抵触する。ただちに是正させるべきだ」と指摘しました。佐藤局長は「正確な情報開示は銀行の前提。適切な時期に公表すべき」と答弁しました。