2005年5月12日(木)「しんぶん赤旗」
障害者「自立支援」法案
通所者は負担19倍
山口議員が撤回を迫る
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障害者福祉の利用者負担が平均でホームヘルプ(訪問介護)は四倍、通所施設は十九倍に――。障害者に原則一割の定率負担を求める障害者「自立支援」法案の審議が十一日、衆院厚生労働委員会で始まりました。委員会室には車いすの人など多数の傍聴者がつめかけました。
日本共産党の山口富男議員は「障害者の所得保障や就労支援策が不十分な現状のもとで、こんな負担増には耐えられない」とのべ、定率負担撤回を求めました。
いまの制度では、利用者の負担は所得に応じた金額になっています。ホームヘルプの場合、利用者の95%が無料です。一割負担になると、家事援助や身体介護などのホームヘルプでは現行月平均千円が四千円へと四倍もの負担増になります(表)。厚労省の塩田幸雄障害保健福祉部長は、全体の負担増がわかっているだけでも年間七百億円を上回る規模になることを認めました。
山口氏は「これでは障害者の自立支援どころか自立を壊していくものだ」と批判。尾辻秀久厚労相は、現行の支援費制度が「財政的にいきづまり、持続可能性を追求しなければならなくなった」とのべ、財政優先で改悪したことを認めました。
山口氏は、障害者福祉を大幅に変更する法案にもかかわらず、サービスの内容と範囲、支給決定のもとになる障害程度区分など障害者が知りたい具体的な中身はすべて政省令で決まることを指摘。検討状況を示すよう求めました。塩田部長は「来週早々にも出す」と約束しました。