2005年5月11日(水)「しんぶん赤旗」

日本人拘束と声明

斎藤さん 米軍支援の会社勤務

イラク武装勢力


 【カイロ=小泉大介】イラクの武装勢力「アンサル・アルスンナ軍」を名乗る組織は九日、同国内で日本人一人を拘束したとの声明とこの日本人のものとする旅券や身分証明証の写真をウェブサイトに掲載しました。声明はこの日本人が重傷を負っているとしています。

 旅券には、「サイトウ・アキヒコ」の名前、一九六一年一月五日の生年月日、本籍東京などが記されています。イラク駐留米軍の警備支援を業務の柱とする英国系警備会社ハート・セキュリティーは同日(日本時間十日未明)、同社イラク支店に勤務する斎藤昭彦さん(44)=千葉市出身=が行方不明となったことを日本外務省に報告、同省はウェブサイトに掲載された斎藤さんの旅券を本人のものと確認しました。一夜明けた十日、これまでのところ、同組織は予告していたビデオ映像などを出しておらず、斎藤さんの安否に懸念が強まっています。

 「アンサル・アルスンナ軍」は声明で、首都バグダッド近くの米軍基地から車列を組み移動していたイラク人十二人と武装外国人五人を西部ヒートで待ち伏せし、激しい戦闘の後、日本人一人以外の全員を殺害したとしています。イラクでは最近、武装勢力の攻撃と米軍の軍事作戦が激化しています。

 斎藤さんは陸上自衛隊の精鋭部隊である第一空挺(くうてい)団を経験後、二十一年間にわたりフランスの外国人部隊に勤務し、戦場での任務にも就いた経歴を持つとされます。


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