2005年5月10日(火)「しんぶん赤旗」
治維法犠牲者に賠償を
井上議員同行 国賠同盟が法相に要請
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の近藤一雄副会長らは九日、法務省で南野知恵子法相と面会し、国が治安維持法犠牲者に謝罪と賠償するよう要請しました。日本共産党の井上哲士参院議員が同行しました。
要請には同法犠牲者の田熊真澄さん(96)=同盟山口県本部名誉会長=も参加。田熊さんは一九二九年ごろ日本共産党への「入党未遂」、三四年ごろ共産党の裁判資料を印刷したことで同法違反で弾圧されました。当時共産党員ではなかったといいます。
田熊さんは刑務所の中で病気を患ったことなどを訴え、「世界無比の悪法で弾圧され、刑務所生活をした。あまりにも酷だ。国はわれわれに責任をもち、謝罪し、賠償してもらわなくてはならない。この社会で気持ちよく生活できるようにお願いしたい」と南野法相に訴えました。
近藤副会長は「賠償することで再び戦争をやらない決意を内外に示してほしい」と訴えました。
南野法相は「難儀されたことは十分理解させていただいた。本当につらい思いをされたと思うが、そういうことを二度と起こしたくないというのが私の気持ちだ。法務省として謝罪、賠償はいえない難しい案件だが、国会の場でしっかり議論されれば形が整うのかと思う」とのべました。
賠償要求同盟は十日に、扇千景参院議長への要請と国会議員要請を行います。