2005年5月10日(火)「しんぶん赤旗」
国労西日本 JR西に申し入れ
「安全第一に改めよ」
JR福知山線の列車脱線事故で、国鉄労働組合西日本本部(上村隆志委員長)は九日、再発防止のために「企業体質の改善」などをJR西日本に申し入れました。申し入れ後、大阪市内の同本部で上村委員長、田中博文書記長らが会見し、同労組としての「当面の対策要求」とともに発表しました。
「申し入れ」は、「営利優先」から「安全第一」に企業体質を変えて安全にかかわる設備投資をおこなうこと、「命令と服従」「事実隠ぺい」の体質を変え、労働者の「再教育」についても「責任追及ではなく再発防止のための原因究明」「運転技能に関する再教育のみ」とすること――などを求めています。
また過密ダイヤ問題では、「余裕時分」をもうけるダイヤ改正をおこない、「労使安全会議」や、社外の専門家を入れた「JR西日本安全対策委員会(仮称)」の設置などを要求しました。
「当面の対策要求」では、(1)企業としての責任問題(2)政府及び国土交通省の責任問題(3)チェック体制の問題――の三点を提起。「安全は、輸送業務の最大の使命である」との国鉄時代の理念にJR西日本が立ちかえることを求めました。さらに、政府の「規制緩和」により、車両設計や運転の取り扱いなどが実質的に「企業まかせ」になっているとし、安全確保の基準を政府・国土交通省が定め、命令できる仕組みを作るよう要求しています。
また、労働組合としても「安全の国労」という方針で、気を引き締め、「えりをただす」よう取り組んでいく決意を表明しました。