2005年5月8日(日)「しんぶん赤旗」
過密ダイヤ見直し検討
JR西 旧型ATS活用など発表
JR西日本は七日午前の会見で、福知山線を含む京阪神地域の主要路線で列車ダイヤの見直しを検討することを明らかにしました。過密と指摘されたダイヤについて、同社が全面的な見直しに言及したのは初めてです。
これは、同日午前、徳岡研三専務・鉄道本部長らが公表した検討中の再発防止策の一つ。
丸尾和明取締役・総合企画本部副本部長は、これまでのダイヤについて「設定としては適正だったが、恒常的な遅れがある実態は把握している」と無理があったことを認めました。このなかで、私鉄の競合区間ということも捨象して検討し、一時間に八本が七本になるなど減便もありうる――などとしました。
また、丸尾副本部長は現在、福知山線に導入しながら地上設備がないため速度抑制機能を使っていなかった旧型の列車自動停止装置(ATS―SW)について、その機能を使うために速度差の大きいカーブに地上設備の配備を進めていく考えを示しました。新型列車自動停止装置(ATS―P)の整備については、福知山線で約九億円が必要だとして、「できるだけ早くということで検討していく」とのべるにとどまりました。
徳岡研三専務・鉄道本部長は、「これまでも『安全を優先する』を旨としてきたが、現実的にいうと、十分でなかった。形式だけではなかったか」などとのべました。