2005年5月7日(土)「しんぶん赤旗」
JR西の事故列車
区間最速 “義務”だった
宝塚→尼崎16分25秒
接続優先、直前の快速より1分25秒速く
JR福知山線の脱線事故を起こした快速列車は、宝塚―尼崎間を直前の快速より一分二十五秒、直後の快速より四十五秒速い、同区間最速の上り快速だったことが本紙の調べで六日までにわかりました。私鉄との集客競争のなか、尼崎駅での接続を最優先にした無理な列車ダイヤが事故の背景にありました。
列車は五秒単位でダイヤ編成され、同じ区間を走る快速でも一本ごとに駅の停車時間や運転時間が違います。事故列車は宝塚―尼崎間を所要時間最短の十六分二十五秒に設定されていました。一本前の快速は十七分五十秒、一本後は十七分十秒。前後に比べても極端な短かさです。乗客の少ない日中の快速よりも五秒短く、伊丹駅での停車時間もわずか十五秒。これも前後よりかなり短い。
事故列車は尼崎駅に九時二十分十秒に到着。向かいホームに入ってくる神戸線の西明石発高槻行き九時二十二分発の普通列車に接続することが半ば「義務」でした。
ある運転士は「ただでもきついダイヤなのに伊丹駅でのオーバーランによる一分三十秒の遅れを取り戻そうとしたため、速度超過を起こしたのではないか。私鉄との競争で無理なダイヤ編成をしいてきたことが事故の背景のひとつにある」と指摘します。