2005年5月5日(木)「しんぶん赤旗」

政権や米からにらまれても

支持率

メキシコ市長は84%

ベネズエラ大統領70%


 いま中南米の新聞をにぎわす政治家といえば、メキシコ市のオブラドル市長とベネズエラのチャベス大統領。オブラドル市長は裁判所命令に従わなかったとして免責特権をはく奪されています。革新市政で実績が評価され、国民的人気が高い同氏を来年の大統領選挙から排除するためといわれます。チャベス政権は、ブッシュ米政権が「否定的な勢力」と呼ぶ孤立化の対象です。ところが、二日に発表された世論調査によると、両氏ともますます多数の国民の支持を得ています。

 (メキシコ市=松島良尚)


 オブラドル市長の支持率は84%。メキシコの有力紙レフォルマが四月中旬に実施した調査です。二月より8ポイント増えました。高齢者年金制度などの実績が高く評価されていたのに加え、免責特権はく奪問題が同市長を「陰謀」の犠牲者と印象づけたと分析されています。オブラドル市長は四月二十四日の百万人を超える市長支持デモの翌日から、職務を再開。大統領府は「法令無視」と非難しました。

 しかしその後、フォックス大統領は、内外の批判を受けて、市長追及の急先ぽうだった検事総長の辞任を受理。同大統領は、今回の件を徹底して見直し、「メキシコの政治的協調を最大限保っていく」と発表しました。市長との対話をすすめ、検察の動きをできるだけ封じるねらいと解されています。

 一方、ベネズエラのチャベス大統領の支持率は過去五年間で最高の70%。民間調査会社ダタナリシスが二月下旬におこなった結果です。昨年八月の大統領罷免の是非を問う国民投票での、大統領支持は59%でした。

 支持増大は、医療や基本生活物資の安価な販売など、チャベス政権の政策への評価と分析されています。野党が昨年の国民投票結果を根拠なく不正呼ばわりしたことも反映していると指摘されています。

 この調査に含まれていた、チャベス大統領が強調する「二十一世紀の社会主義」については、35%が政府は社会主義に向かうつもりだと回答。54%がその可能性はないと答えました。

 チャベス大統領は一日のメーデー演説でも、「資本主義ではわれわれの目標は達成できない。新しい世紀の社会主義の道を歩もう」と呼びかけました。同時に、キューバのモデルをまねるつもりはないと明言しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp