2005年5月2日(月)「しんぶん赤旗」

他路線では速度対策も

従来型ATS活用 一つ数十万円で可能

JR西


 JR福知山線の電車脱線事故を起こしたJR西日本が、同路線に現在ついている列車自動停止装置(ATS―SW型)を使って、他の三路線ではすでにカーブの列車速度超過防止対策をしていたことが一日わかりました。事故現場のカーブでも使用可能にしていれば事故は防げた可能性があるだけに同社の姿勢があらためて問われます。

 JR西日本によると、従来型のATS―SWで、カーブの速度超過防止の安全対策をおこなっているのは、同社管内の北陸線、山陽線、東海道線の十七カ所。カーブの半径など詳細はあきらかにしていません。

 ラッシュ時は三―五分間隔で列車が走る福知山線の事故現場のカーブ(半径三百メートル)には、地上設備を整備しておらず、この速度抑制機能はつかわれていませんでした。

 ATS―SWは、カーブなど要注意場所に地上設備を複数置き、制限速度以上の速度で進入しないようブレーキをかける機能を持っています。この線路側の「地上子」はひとつ数万―数十万円程度で設置できると専門家は指摘していますが、カーブ手前の直線での減速区間が長くなって、秒単位の「遅延回復運転」がしにくくなります。


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