2005年4月26日(火)「しんぶん赤旗」
池子米軍住宅増設
生態系変化把握せず
参院委 小池議員に施設庁長官
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日本共産党の小池晃議員は二十五日の参院決算委員会で、神奈川県の逗子、横浜両市にまたがる「池子の森」で政府がすすめている米軍住宅建設問題を取り上げ、オオタカなど百種以上の動植物が生息する貴重な森林の保全と建設の中止を求めました。
政府が新たに米軍住宅の建設を計画しているのは横浜市側。すでに森の総面積約二百九十ヘクタールのうち、米軍住宅のために逗子側で八十ヘクタール(約三割)が破壊され、残る二百十ヘクタールの森を守ってほしいと市民の声があがっています。
防衛施設庁は一九八七年、逗子側の住宅建設にあたり横浜市側を含む池子の森全体の「環境影響予測評価」を実施。貴重な鳥類八十七種が観察されたことを報告しています。
小池氏が、その後に鳥類の生息調査をしたのかをただしたのに対し、防衛施設庁の山中昭栄長官は「モニタリング(調査)はしていない」とのべ、この間の生態系の変化について把握していないことを認めました。
小池氏は、「実態をつかまず建設を決めるのは無責任だ」と批判、池子の森の環境を守るという政府の約束を守り、横浜側の建設はやめるよう迫りました。
山中長官は、森全体を対象にしたアセスメント(環境影響評価)は実施する考えを示しました。