2005年4月24日(日)「しんぶん赤旗」

人権守る決意新た

八鹿高校事件 30周年で集会

「解同」問題解決めざす


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八鹿高校事件原告団と当時の在校生を前に人権と民主主義、憲法を守るたたかいを呼びかける橘さん(右から4人目)=23日、兵庫県養父市八鹿町

 「解同」(部落解放同盟)の無法集団により教育史上前例のない教職員への集団暴行事件となった八鹿(ようか)高校事件から三十年を迎え、記念集会が二十三日、事件現場となった兵庫県養父市八鹿町で開かれました。

 同事件にかかわった弁護団や教職員、全国人権連の関係者ら二百七十人が参加し、「人権と民主主義を守るたたかいの教訓を今に生かそう」と交流しました。

 「八鹿高校と私」と題して、事件当時のルポルタージュを担当した詩人の土井大助さんが記念講演。物が言えない「解同」支配のなか、八鹿高校生が「暴力反対、先生を返せ」と河原で「解同」と対峙(たいじ)したことなど勇気ある住民のたたかいを紹介しました。

 八鹿高校事件の元対策弁護団事務局長の山内康雄弁護士は、被害を受けた教職員側がすべての裁判で勝利したことの意義をのべ、「解同」が多数により暴力的な「確認・糾弾」をいまなお「運動の生命線」としていることを紹介。「早く『解同』問題を解決するために力を合わせよう」と話しました。

 全国人権連の石岡克美議長、福岡、香川、三重各県の裁判闘争原告が、教育介入や人権擁護法案とたたかう運動を呼びかけました。

 壇上には、八鹿高校事件原告団と当時の八鹿高校生が並び、同原告団代表の橘謙さん(82)が「憲法改悪の動きなど民主主義を守るたたかいは、これからが本番だ」と訴えると、会場から拍手が起こりました。

 八鹿高校事件 一九七四年十一月に兵庫県南但馬地方の八鹿町(当時)で起きた集団リンチ事件です。八鹿高校教職員七十人に対し、数百人の「解同」(部落解放同盟)の無法者が襲いかかり、同校内で拉致監禁。殴る、ける、気絶したら水をかけるなどの暴行を働き、五十六人が重軽傷を負いました。うち二十九人が骨折、内臓破裂で入院、数人が危篤状態に陥りました。凄惨(せいさん)なリンチが続きました。九六年までにすべての裁判で「解同」側の有罪が確定しています。「解同」は利権・特権のため確認・糾弾行動を続けていますが、八鹿高校事件は、その最もひどい事例となりました。



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