2005年4月23日(土)「しんぶん赤旗」
米軍機事故処理指針で外務省
立ち入り事前承認
「英語の正文になし」
赤嶺議員に
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外務省の河相周夫北米局長は二十二日の衆院外務委員会で、米軍機事故に関するガイドライン(指針)について、同省の日本語訳(仮訳)では事故現場への米軍の立ち入りは日本政府の事前の承認が原則としているのに、正文である英文には「(その原則を示す)明示的な単語はない」ことを認めました。日本共産党の赤嶺政賢議員の追及に答えたものです。
昨年八月に米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した事故で、米軍は大学構内を含む一帯を一方的に封鎖し、批判を浴びました。ガイドラインはこうした事態を受け、日米両政府が四月一日に合意しました。
外務省は、ガイドラインの仮訳で、私有地を含む米軍の現場への立ち入りについて「(日本政府の)事前の承認を受ける暇(いとま)がないときは、…許される」とし、日本政府の事前承認が原則だと説明していました。
ところが英文では、米軍の立ち入りについて「事前の承認なくして」できると明記し、日本政府の事前承認がそもそも不要になっています。
河相局長の答弁は、ガイドラインの正文を外務省が仮訳で改ざんしていたことを認めたものです。
河相局長は、米軍の立ち入りが可能なケースについて、これまでの墜落と不時着に加え、計器が示すシグナルで事故につながる可能性がある場合などでの着陸を指す「予防着陸」も、ガイドラインで新たに加えたことも認めました。
赤嶺氏は「米軍が勝手に封鎖する問題を何も改めず、逆に、正文と違う説明を繰り返し、国民の目をごまかす。しかも(米軍が立ち入りできる)対象も広げた。いっそう対米追従を深めたガイドラインだ」と批判しました。