2005年4月23日(土)「しんぶん赤旗」

改憲反対の風 実感

7月に1万人講演会

「九条の会」1年を前に会見


 日本を代表する知識人・文化人九氏でつくった「九条の会」は二十二日、東京・神田の学士会館で記者会見し、七月末に東京で大規模な講演会を開催することなど、昨年六月の発足から一年を前に今後の活動方針を明らかにしました。会見には、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の七氏が出席しました。


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記者会見する九条の会呼びかけ人。(左から)澤地久枝、三木睦子、大江健三郎、小田実、加藤周一、奥平康弘、鶴見俊輔の各氏=22日、東京・千代田区の学士会館

 加藤氏は、主要都市での「九条の会」講演会に「予想以上に熱心な聴衆が集まった」と紹介。「自発的な日本社会全体の活動に、横の連絡をつけ、全体を見通せるようにして、憲法を守る、九条を守るという目的に向かって活動を続けたい」とのべ、七月三十日に有明コロシアムで一万人規模の講演会を開くほか、未開催の都市からの呼びかけにこたえ講演会を開いていくことを明らかにしました。

 会見では、「全国で改憲反対の地下水のような思いに触れ、私自身が多くの勇気をもらいました」(澤地さん)、「高知では自民党から共産党まで一緒にやっている。改憲反対の風が吹き始めたと実感している」(小田氏)、「鉱脈にあたった感じだ。隠れた形であった思いにぶつかった」(奥平氏)などの感想が語られました。

 また、三木さんは「どんな理屈があっても戦争してはいけないと説いていきたい」と語り、鶴見氏は「七十年前の小学校の友だちから、『蟇(ひきがえる)九条の会よくぞ友』という俳句をもらった」というエピソードを紹介しました。

 大江さんは「この一、二年憲法論議が実際に始まってみると、日本人は憲法の精神を守っていこうとしていることが明らかになった。そのことが自然に表現されているのが『九条の会』だ」と指摘。「この考えが広がっていくための『萃(すい)点』(人の声や運動が集まる場所)をつくりだしていきたい」とのべました。

 「九条の会」呼びかけ人には、このほか、井上ひさし、梅原猛の二氏がいます。


全国に1280の会

 記者会見では二十日現在、全国の地域・分野で「九条の会」アピールに賛同する組織が千二百八十結成されたと発表されました。

 都道府県別にみると、長野県百二十八、北海道で百二十三、京都府百十二、神奈川県百九と、四道府県で百を超える会が結成されています。

 昨年七月から今年の三月まで、全国九会場で開かれた「九条の会」講演会の会場別の参加者数も発表され、横浜会場の五千人をはじめ、合計で二万七千四百人となりました。


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