2005年4月22日(金)「しんぶん赤旗」
政管健保 “保険料を都道府県単位に設定”
厚労省の見直し案
社保審部会で委員が批判
社会保障審議会の医療保険部会が二十日に開かれ、中小企業の従業員などが加入する政府管掌健康保険の見直し案について議論しました。現在は全国一律の保険料率(年収の8・2%、労使折半)を、地域の医療費に応じて都道府県ごとに設定するという厚生労働省案に、自治体や医療関係の委員から批判が出されました。
政管健保は現在、社会保険庁が全国一括して運営しています。厚労省はこれを、都道府県単位に分けようとしています。地域の医療費に応じて保険料を決めることになり、医療費が多くかかったところは保険料率も高くなります。かかった医療費を保険料率に反映させるしくみにして、医療費の伸びを抑えることが目的です。
この日の部会では、全国町村会の山本文男会長(福岡県添田町長)が「財政論ばかりで議論すると人の命は二番目におかれて、これだけの財源しかないからこれだけの治療しかできないということになってしまう。間違った議論だ」と発言。全国知事会の浅野史郎・社会文教調査委員長(宮城県知事)も「地域別にすれば競争が起こってよくなるというのはいかがなものか」と述べました。
日本医師会の松原謙二常任理事は、「医療保険の最大の目的は病気の人を元に戻すこと。国民の健康を守るためにどうあるべきかという視点で議論すべきだ」と述べました。