2005年4月21日(木)「しんぶん赤旗」

新銀行東京に裏計画

知事説明食い違い 事業目標引き下げ

共産党入手


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新銀行の“裏の事業計画書”

 石原慎太郎東京都知事が推進して四月開業した「新銀行東京」(本店・千代田区)が、都が公表している「新銀行マスタープラン」(昨年二月作成)とは別に、融資や経常利益などの目標を大きく下方修正した「事業計画書」を作成していたことが二十日、日本共産党都議団が入手した文書で明らかになりました。

 石原知事は八日の記者会見で「『新銀行マスタープラン』以外の計画は存在しない」と「計画書」の存在を否定。「基本案作成のため悪い条件を想定していろんなシミュレーションをするわけで、その一部が漏れたのだろう」としていました。

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新銀行東京本店=東京・千代田区

 日本共産党都議団が入手した「計画書」は、「マスタープラン」作成から九カ月後の昨年十一月に作成と明記。知事の説明と食い違っています。

 また、「計画書」で記載された新銀行の目的や事業、財務などについての事業計画では、開業一年後の二〇〇五年度末で貸出金残高二千七百四億円、〇七年度末には七千四百二十六億円を達成するとしています。これはマスタープランで掲げていた今年度末二千七百三十八億円、〇七年度末九千三百六億円を大きく下回っています。また、マスタープランでは〇七年度末で五十四億円の経常利益を計上するとしていましたが、「計画書」は〇七年度末で四億円と下方修正しています。

 破たんが懸念される中小企業への融資を進めるさいに必要な貸倒償却や貸倒引当金繰入額についても、「計画書」ではマスタープランの見通しを下方修正するなど、当初の目標から後退していることを示しています。

 日本共産党都議団は同日、「計画書」の存在を否定した「知事発言は事実をゆがめたもの」だと批判、「新銀行東京は、裏の『事業計画書』を都民と議会に隠したまま開業したもので、都の姿勢が厳しく問われる」として、「計画書」を提出して都民と都議会に対する説明責任を果たすよう、都に申し入れました。


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