2005年4月20日(水)「しんぶん赤旗」

人身売買

被害者保護の法律を

井上参院議員質問 参考人が意見陳述


 参院法務委員会は十九日、「人身売買」を禁止する刑法等改正案について参考人質疑を行いました。明治大学大学院法務研究科・法学部の川端博教授、人身売買禁止ネットワーク共同代表の吉田容子弁護士、民間シェルター(避難場所)の女性の家サーラーの武藤かおり理事、国際移住機関の中山暁雄東京事務所長が意見陳述しました。

 日本共産党の井上哲士議員は、改正案で被害者の在留特別許可の適用が増え、在留期間が長くなる一方で、一時保護後の対応が考えられていないと指摘。日本共産党と社民党が共同で被害者の支援法の実現に向け取り組みを進めていることを明らかにしたうえで、被害者対策で何が求められているかを参考人に質問しました。

 吉田氏は、被害者保護支援法を制定して国の責任を明示し、中心となって対応する国の機関を定めるとともに、医療保障を含む財政上の措置、民間のシェルターへの援助にも十分な配慮が必要であるとの考えを示しました。

 武藤氏は、民間のシェルターへの支援にかかわり、「サーラー」は米国に拠点をもつNPO(民間非営利団体)とパートナーシップを結び、米国務省からの助成金を得て、被害者の医療費や滞在費の一部を補助していることを紹介。助成金がなければ、赤字を生み出し、シェルターの運営が破たんすることを示し、国の補助を求めました。


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