2005年4月20日(水)「しんぶん赤旗」
地位協定改定も視野
参院委 基地共用で防衛庁長官
緒方氏質問
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大野功統防衛庁長官は十九日の参院外交防衛委員会で、在日米軍再編で追求されている基地の日米共同使用にかかわって「地位協定との関連が出てくれば、それも加えて考慮に入れて検討する」と答弁しました。駐留米軍の地位を定めた日米地位協定の改定も視野に入れて検討する考えを示したものです。日本共産党の緒方靖夫議員への答弁。
これまで政府は、在日米軍再編にあたって、基地の日米共同使用を図り、基地管理権の自衛隊移管を検討していることを明らかにしています。緒方氏は、米軍基地の管理権を日本側に移す共同使用は、日米地位協定の二条四項bの形態しかないと指摘しました。
同条項では、米軍の使用は一時的というのが原則。政府も「時間的にいえば一年のうち半数以上向こう(米軍)が使うというのでは主客転倒になる」(中曽根康弘防衛庁長官=当時、一九七一年)と説明してきました。
緒方氏は、このことをあげて「地位協定の改定か、その他の法的整備が必要となるのではないか」とただしました。
緒方氏はまた、日米共同使用がとりざたされている横田基地(東京都)では、住民への爆音被害が六回にわたって違法という司法判断が裁判で示されてきたことを指摘。「共同使用になれば、もっと騒音が大きくなり、負担軽減への道は遠のくと懸念している。地元住民の願いは、管理権の返還ではなく、基地の返還だ」と求めました。