2005年4月19日(火)「しんぶん赤旗」

不動産担保とり競売も

サラ金アイフル

多重債務者の再起妨げ アンケート調査で判明


 サラ金大手「アイフル」(本社・京都市)が多重債務者などを相手に「不動産担保ローン」をすすめ、担保にとった不動産をタテにして通常は可能な分割払いや減額など債務整理にも応じない事例が多発しています。「アイフル被害対策全国会議」(代表・河野聡弁護士)のアンケート調査で十八日までにわかったもの。多重債務問題にとりくむ弁護士らからは「再起の妨げになっている」「生活資金の貸し付けで不動産を担保にとるのは禁止すべきだ」との声が出ています。

 「対策会議」のアンケートは、アイフルの事件を処理した全国の弁護士、司法書士、クレジット・サラ金「被害者の会」を対象にこのほど実施され、計百五十九件の回答がありました。「不動産をとられた」など不動産担保に関する回答は五十九件にのぼりました。

 不動産担保ローンは、同社が複数のサラ金債務の「おまとめローン」などとしてすすめているもので、債務者や保証人の不動産を担保にとります。サラ金大手四社で不動産担保ローンをすすめているのはアイフルだけで、同社貸付残高の17%以上を占めています。

 アンケート結果によると、アイフルは不動産を担保にとっている場合、債務者側が債務整理を申し立てても「支払い可能な金額への減額に応じない」「分割払いに応じず、一括返済を求め、競売を申し立てる」などの対応をしてきています。

 サラ金は利息制限法(金額により年15、18、20%)に違反する高金利をとっていますが、債務者側が債務整理を申し出た場合、サラ金側も利息制限法の金利に基づく債務の減額や、残債務の分割払いなどに応じるのが通常です。

 ところがアイフルについては「不動産担保があることを理由に和解を拒む」「不動産担保では一括返済しか応じない」などの回答が相次ぎました。

 このため、「アイフル以外は分割払いにこぎつけたのに、話がすすまない」など、債務者の再起に支障をきたしています。実際に不動産を競売にかけられたとの事例も多く、「債務者が家を失い、ヤミ金に手を出した」「自営業を廃業せざるをえなくなった」などの回答もありました。

 債務者が「不動産担保を認識していなかった」「支払えない場合に家がなくなると知らなかった」と、不動産を担保にとる意思確認が不十分とみられる例も複数寄せられました。


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