2005年4月19日(火)「しんぶん赤旗」
40年間対米協力の テロリスト
米に政治亡命申請
【メキシコ市=松島良尚】中南米各地での破壊活動で知られている親米テロリストが米国への政治亡命を申請しています。
本人は姿を見せない中、その弁護士が十三日、米マイアミでの記者会見で、「四十年間米国に協力してきたのだから政治亡命の要件を備えている」と強調しました。ブッシュ政権の対応が注目されています。
問題のテロリストはルイス・ポサダ(77)。米国によるキューバ侵攻作戦(一九六一年)に亡命キューバ人として参加し、六三年に米軍に入隊。その後、米中央情報局(CIA)と関係をもち、ベネズエラ、チリなど中南米各地で謀略、破壊活動を繰り返しました。
ポサダは七十三人が死亡したキューバの旅客機爆破事件(七六年)にもかかわってベネズエラで逮捕されましたが、不起訴のまま脱獄。二〇〇〇年には、パナマで開かれたイベロアメリカ首脳会議のさい、カストロ・キューバ国家評議会議長に対する暗殺未遂でパナマ当局に逮捕されました。しかし昨年、モスコソ前大統領が特赦にしました。
米国と犯人引き渡し条約を結んでいるベネズエラ政府は、ポサダの引き渡しを要求すると発表しました。カストロ議長も、引き渡しを要求できるベネズエラか、国際的な裁判所で裁くべきだと主張しています。