2005年4月17日(日)「しんぶん赤旗」
アイフル被害救済へ
弁護士らが対策会議設立
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サラ金大手「アイフル」(本社京都市)による過剰融資、厳しい取り立てなどの被害が急増しているとして、多重債務問題に取り組む弁護士、司法書士らが十六日、「アイフル被害対策全国会議」を発足させ、京都市内で設立集会を開きました。
記者会見した同会議代表の河野聡弁護士は十八日に近畿財務局にたいし、同社の貸金業登録取り消しを申し立てることを明らかにしました。
集会では、被害の体験が相次いで報告されました。
アイフルを含む四社に百九十万円の借金がある神戸市の女性(70)はことし一月、アイフル男性社員から自宅で恐怖の取り立てを受けました。
社員は玄関に入ったあと「払ってもらわなければ絶対帰らない」といって居座りました。女性が生活保護を受けていることを訴え、何度も「今日は帰ってください」といっても帰りません。「社員が激しい口調で、威圧するようで怖かった。どうしても帰ってほしかった」という女性は、財布にあった五千円を社員に渡しました。震えが止まらなかったといいます。
女性は「五千円は私にとって最低生活に必要なお金でした。借金があると食べるお金を持つことも認められないのでしょうか」と涙ながらに語りました。
アイフルが複数のサラ金の債務の「おまとめ」などとしてすすめている「不動産担保ローン」も大きな問題になりました。大分県では、アイフル社員が、債務者の父親である認知症状態の高齢者に委任状を書かせ、土地・建物を担保にとった事例もありました。
司法書士や弁護士は「アイフルが担保をとって過剰融資している」「債務者本人が親族に代わりの支払いを頼むように仕向けている。悪質だ」「消費者金融で不動産担保をとることを禁止すべきだ」などと訴えました。
また、アイフル社員が、熊本県の「被害者の会」相談員を、「お前らなんてつぶすのなんともねえんだよ」「ばかたれ! ばかたれ! じじい!」などと罵倒(ばとう)するテープも公開されました。
河野弁護士は「サラ金で悪いのは武富士だけではない。高金利、過剰融資、違法取り立てなどはサラ金全体の問題。アイフルは、チワワのかわいいイメージで問題を覆い隠そうとしている」と批判しました。