2005年4月14日(木)「しんぶん赤旗」
参院憲法調「報告書」一次案
九条改憲へ方向付け
参院憲法調査会の五年間の活動をまとめた調査報告書の第一次草稿案が、十三日の同調査会幹事懇談会に示されました。第一次案は「概(おおむ)ね趨勢(すうせい)であった意見」を白抜き文字で強調表示。「主な論点と各党・各議員の意見」で、集団的自衛権を「認めるべきだとの意見」、自衛隊の存在を「憲法を改正し明文で記載すべきとの意見」を「趨勢」だとするなど、九条改定をめざす方向をはっきりと示しています。
吉川議員が撤回を迫る
これは、憲法の「広範かつ総合的な調査」という同調査会の目的を逸脱。同調査会幹事会で、報告書作成にあたって「一定の方向や意見の多数少数も示さない」とした合意にも反します。
日本共産党の吉川春子議員は、「これまでの幹事会の議論や合意を踏み越えている」とのべ、撤回を求めました。
民主党からも「集団的自衛権の行使を憲法に明記する」など党内で合意されていないものが「趨勢」として記述されているので訂正してほしいとの意見が出されて了承されず、協議は十五日午前の幹事懇談会に持ち越されました。
幹事会後、簗瀬進同調査会長代理(民主党)は記者団に対し、「与党である自民、公明両党と野党第一党の民主党で一致した意見を『趨勢』と言ってよい」とのべ、憲法九条改定を中心に自公民三党で意見の一致を図っていく姿勢を明らかにしました。