2005年4月12日(火)「しんぶん赤旗」

中国の最近の一連の問題について

市田書記局長が記者会見


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記者会見する市田忠義書記局長=11日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は十一日、国会内で記者会見し、「反日デモ」など中国の最近の一連の問題について次のようにのべました。

どんな主義・主張も暴力に訴えるべきではない

 どんな主義・主張であっても、暴力によってそれを訴えるというのはよくないというのがわれわれの立場です。同時に、日中関係がいまのような事態になっていることについて、冷静な事実にもとづく分析が必要だと考えています。

 いろいろありますが、やはり今度の問題の根底に、日本がおこなった戦争にたいする態度の問題があります。

 今年は戦後六十年、第二次世界大戦が終わって六十年の大事な節目の年です。日本、ドイツ、イタリアがおこした侵略戦争で数千万の命が奪われました。その痛苦の教訓の上にたって、再びあのような侵略戦争がおこらないようにしようと、国際連合が結成され、国連憲章のなかで、国際紛争を平和的、外交的手段で解決する、武力による威嚇も、武力行使も慎む、などの原則が確認されました。

 日本国憲法は、この平和の原則をさらにおしすすめ、戦争放棄と戦力を保持しないことを明記して国際社会に復帰しました。この立場、侵略戦争の反省と二度とあのような戦争をおこさない、というのがわが国の国際公約であり、戦後の国際社会に復帰する要件でもありました。

侵略戦争の反省こそ戦後の原点

 ところがいま、その侵略戦争を反省するどころか、逆に総理の靖国神社参拝がくりかえしおこなわれています。いうまでもなく靖国神社は、戦前の侵略戦争の思想的支柱の役割を果たし、戦後もA級戦犯の合祀(ごうし)や、あの戦争は正しかったという展示までやっている神社です。

 そこに総理が参拝する。あるいはあの戦争を「自存自衛」の戦争だったと、侵略戦争の反省がない記述のある教科書を検定合格とするなど、世界の流れとわが国の戦後の出発点、原点を見失い、損ねるような言動がつよまっています。日中間の問題を解決するためには、このような小泉内閣の態度をあらためることが緊急にもとめられています。

中国側は過去と現在の問題を一緒にすべきではない

 同時に中国側にも過去の侵略戦争と現在の問題とを一緒にしないことをもとめたい。いま日本が、中国に侵略したりしているわけではありません。過去の侵略戦争と現在とを区別してとらえることが大事でしょう。

 また日本の一部の人物の言動と日本国民全体を区別することも中国側にもとめたいと思います。さらに、冒頭にいったように、どんな主義・主張も暴力によって解決するというのは正しくないとみています。

 その他いろいろな問題があるでしょうけど、よく事態の推移をみながら冷静な分析をひきつづきおこなっていきたいというのが、現時点での私たちの立場です。


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