2005年4月11日(月)「しんぶん赤旗」

常勤役員 天下り占拠

厚労省の随意契約公益法人


吉川議員が調査

 厚生労働省から補助金を受けたり、社会保険庁から随意契約で出版物を受注している同省所管公益法人の常勤役員が、厚生労働省や社会保険庁の天下り官僚でほとんど占められていることが十日までに分かりました。日本共産党の吉川春子参院議員の調査で判明したもの。

 社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)は、厚生労働省から計十一億円の補助金(二〇〇〇年度と〇二年度)を受け広報パンフを作成、厚生労働省職員に七千万円の監修料を渡していました。

 同会には常勤役員が四人いますが、その全員が天下り官僚でした。理事長の北郷勲夫氏は社会保険庁長官を退職後、四年間社会保険診療報酬支払基金理事長を務めた後、一九九六年に現職に再天下りしました。以来九年間近くも理事長です。

 船員保険会(財団法人)は、常勤役員四人のうち二人が天下り官僚。会長(常勤)の佐々木典夫氏は、元社会保険庁長官です。非常勤理事には、元厚生省薬務局長もいます。

 社会保険協会(財団法人)は、ただ一人の常勤常務理事が元社会保険庁地方課長で、会長(非常勤)は山下眞臣元厚生事務次官。社会保険健康事業財団は、常勤役員二人とも天下り官僚で、理事長(常勤)は元社会保険業務センター所長。

 日本国民年金協会(社団法人)は、唯一の常勤役員の理事長が山下眞臣元厚生事務次官。山下氏は社会保険協会の会長を兼任、さらに社会福祉法人浴風会の会長でもありました。また、全国社会保険協会連合会(社団法人)は、現職の社会保険病院長らを除く常勤役員三人が天下り官僚。そのうち理事長の伊藤雅治氏は元厚生労働省医政局長です。

 天下り特権官僚は、年収二千万円前後の高給をとっており、官庁と業界との癒着の温床となっています。


厚生労働省から補助金を受けたり、社会保険庁から03年度に出版物の発注を受けた主な公益法人の天下り数

団体名常勤役員天下り数随意契約額
国民健康保険中央会4人4人
船員保険協会4人2人6830万円
社会保険協会1人1人1億 136万円
社会保険健康事業財団2人2人2億5960万円
日本国民年金協会1人1人1165万円
全国社会保険協会連合会8人3人3億2031万円
注=国民健康保険中央会は00年度に3億9000万円
02年度に7億3000万円の補助金を受けている

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