2005年4月11日(月)「しんぶん赤旗」
保育士が職場復帰
解雇撤回の和解が成立
岐阜・山県
岐阜県山県市にある児童養護施設の社会福祉法人興隆会・若松学園で、保育士の土田裕子さん(44)が、二〇〇二年六月に不当解雇され、解雇撤回と職場復帰を求めていた若松学園不当解雇撤回裁判で七日、和解が成立し、職場復帰が実現しました。
九日、岐阜市内で開かれた勝利和解の記者会見で、土田さんは「保育士として職場復帰ができてうれしく思います。今後は職場復帰してからも大変ですが、子どもたちのために、より良い職場づくりに努力していきます」と述べました。
原告と原告弁護団、土田さんを支援する会は、声明を発表し、(1)解雇撤回と保育士として職場復帰(2)解雇以後の賃金・一時金未払い額の一定額の支払い約束(3)労働関係諸法規を守り正常な労使関係の形成・維持と、児童養護関係諸法規を守り児童の健全な生育を確認できたこと―を和解の意義としてあげています。
土田さんは、興隆会の労働組合攻撃により、学園内に残った唯一の組合員でした。声明は、「リストラ・首切りが横行するなかで、数多くの不当解雇や権利侵害を受けた労働者を大きく励ますことになった」とのべています。
岐阜地裁は〇三年四月、原告の職務怠慢や、原告が入所児童への虐待疑惑をでっち上げて混乱させたという興隆会理事会の解雇理由について、解雇権の乱用であるとして、解雇無効の仮処分決定を出していました。
仮処分決定後も、理事会が原告の職場復帰を拒否したため、裁判に訴え、十一回の口頭弁論の後、昨年十二月に結審。八回の和解交渉を経て、和解に至りました。